令和7年4月3日、第193回社会保障審議会医療保険部会が開催された。マイナ保険証の機能を搭載したスマートフォン(スマホ保険証)を本年9月より順次運用を開始していく方針などとあわせて、第4期医療費適正化計画の各都道府県の提出内容を集計した全国医療費適正化計画を明らかにした。4,336億円の適正化効果を見込む内容となっている。


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第4期医療費適正化計画のポイントを改めて確認

 第3期目までとの目立った取組目標として、「バイオ後続品の使用促進」「抗菌薬処方の適正化(急性気道感染症、急性下痢症といった効果が乏しいというエビデンスがあるもの)」「白内障手術と化学療法の入院を外来へ移行(外来でできるものは外来へ)」がある。




 なお、後発医薬品の使用促進に関しては、昨年9月に公表された新たなロードマップにあるように、数量割合を達成した都道府県は数量割合65%以上という副次目標を目指す。


参照:安定供給を基本とした後発医薬品とバイオシミラー使用促進の新たなロードマップが策定・公表される


 また、昨年暮れに公表された改革実行プログラムによれば、今年度中にはリフィル処方箋の使用割合に関する目標も設定することとなっている点に注目したい。


参照:改革実行プログラム2024より、医療分野の主な集中取組の内容を確認・整理する


 個人的に気になるのは、バイオ後続品の使用促進についてだ。今回、当面は見送られることとなった高額療養費の自己負担上限額は、バイオ後続品の数量割合と後発医薬品の金額ベースの目標達成に大きな期待があったと思われる。


参照:高額療養費の見直しで医療機関・患者として備えておきたいことと、電子処方箋に関する令和7年度の対策を確認する


昨年10月からスタートしている選定療養の仕組みの導入も期待されるところだが、デバイス(医療機器)という側面と虫食い効能になっているものがあることから、なかなか難しい。現状のままで目標達成を目指すのであれば、薬局と医療機関との連携(自己注射の糖尿病患者の場合:薬局から患者にバイオ後続品のメリットを伝える → (調剤後薬剤管理指導料)処方元に連携し情報提供 → 次回診療時に提案)などがポイントになるだろう。




第3期医療費適正化計画は、想定を上回る結果。しかし...

 ところで、第3期医療費適正化計画はどうだったのか。結論から言えば、目標:6,000億円の適正化を大きく上回る1.7兆円の適正化という結果だ。各都道府県の頑張りともいえるが、新型コロナ感染拡大による受診控えも大きく影響したと考えられるだろう。




 第4期医療費適正化計画の期間中には、診療報酬・調剤報酬改定があと2回行われる予定だ。すでに数量割合で目標達成をしていると言える後発医薬品に対する評価は今後どうなるのか(フォーミュラリの策定を加算の要件やDPCの機能評価係数に盛り込むなど?)、外来腫瘍化学療法診療料のさらなる評価拡充と重症度、医療・看護必要度における評価の見直しなど、政策の動向から見えてくる変化を予測して、複数のシナリオをもって備えておきたい。