令和7年4月2日、こども家庭庁にて「第4回プレコンセプションケアの提供のあり方に関する検討会 ~性と健康に関する正しい知識の普及に向けて~」が開催され、プレコンセプションケア推進5か年計画(案)が示された。プレコンセプションケアを推進する「プレコンサポーター」の養成について、5年間で5万人以上を目指す方針や、専門的な相談ができる医療機関を200以上目指すことが明らかにされた。働く女性の健康、カップルで正しい知識をもってのぞむ妊活の支援がこれから本格化する。


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プレコンセプションケアとは?

 2006 年に米国疾病管理予防センター(CDC)が「女性の健康の妊娠転帰に対する医学的・行動的・社会的リスクを、予防と管理を通じて特定・修正することを目的とした一連の介入」と提唱したのがプレコンセプションケア。「妊娠前のケア(妊活準備)」とも表現される。日本では、国立成育医療研究センターに「プレコンセプションケアセンター」が最初に開設されているが、その言葉の認知度は残念ながらまだまだ低い。


参照:国立成育医療研究センター プレコンセプションケアセンター

参照:Smart Nurse


 しかし、昨年閣議決定され、公表された骨太方針2024では「相談支援等を受けられるケア体制の構築等、プレコンセプションケアについて5か年戦略を策定した上で着実に推進する」という文章が盛り込まれ、注目を集めるようになってきた、そして、令和6年度補正予算ではプレコンセプションケアに関する補正予算が盛りこまれることとなった。



参照:39兆円規模の新たな経済対策が閣議決定される。医療分野のポイントは?



プレコンセプションケアの現状、これからの推進5か年計画

 「正しい知識の普及」「相談支援体制の整備」「専門的な相談支援体制の整備」の3つの柱で取組が行われているのが現状だが、主に自治体や、女性の健康に関するナショナルセンターである国立成育医療研究センターによる取り組みがそのほとんどで、プレコンセプションケアを提供できる環境整備を着々と進めてきたともいえる。



 骨太方針2024での記載を受け、本格的に稼働し始める。そのロードマップとなるのが「プレコンセプションケア推進5か年計画」だ。目次を確認する。




 特に医療機関がかかわるポイントを見ていこう。

「Ⅱ-3.専門的な相談支援体制の強化」では、基礎疾患を有する女性への対応やかかりつけ医と産婦人科医との連携の重要性について記載がある。




 今年度から施行される「かかりつけ医機能報告制度」では、産婦人科・婦人科領域で継続した診療の対応ができる医療機関の医師がいれば1号機能が「有」となる。かかりつけ医としても、プレコンセプションケアに関する知識と理解、連携体制の構築が求められてくることになるだろう。


参照:かかりつけ医機能報告(2号機能)を踏まえたかかりつけ機能の可視化


 今回の推進5か年計画(案)で注目を集めているのが「プレコンサポーター」の養成だ。自治体・企業・教育機関等合わせて、5年間でプレコンサポーター5万人以上の養成を目指す方針だ。その人材については、(産業)保健師や産業医などの専門職者の他、自治体では事務職員や企業の人事担当などが想定されている。





 診療報酬では「療養・就労両立支援指導料」という項目があり、医療機関側と産業医等との連携を評価するものがある。今後、企業のプレコンサポーターとの連携を評価する項目なども十分に考えられるだろう。


参照:医療機関側と企業側、働き続けるための支援~健康保険サポーター、療養・就労両立支援指導料~


 プレコンセプションケアに関する医療機関等における相談支援の充実もうたわれている。5年間で200以上の対応できる医療機関を整備していくという目標が設定されている。



 重要なポイントとして、専門相談ができる医療機関につながるように、一般内科の外来や薬局で情報提供できる資材を活用した周知を行うことだろう。また、専門相談においてはオンラインの活用も盛り込まれている。オンラインの良いところは、周囲の目や耳を気にしないで受診ができる、ということ。職場やオフィスの入居するビル内などでも、オンラインブースなど設置するなどの補助は有効だろう。


 環境整備が着々と進み、そのできたインフラを活用するフェーズに入ろうとしている。かかりつけ医機能報告制度もまた別の意味を持ってくる。薬局等においても、周知の面で協力することで、葉酸サプリメントなどの補助食品の提案につながることもあるだろう。本年6月の骨太方針2025での記載も注目したい。