弊社(HCナレッジ合同会社)で毎月集計している施設基準情報より、新たな地域医療構想・地域包括ケアシステムでもポイントとなる届出情報にフォーカスして現況等について毎月ご報告しています。今回は2025年10月時点の施設基準情報をお伝えします。


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急性期一般入院料1、対前月比で5施設の増加。一方、急性期一般入院料4は12施設の減少

 本年9月で連続増加が途絶えた急性期一般入院料1だが、10月に入り、再び増加に転じている。関東甲信越地方では、急性期一般入院料2から入院料1へ移行したと思われる施設が3施設ある。一方で大きく減少に転じたのが急性期一般入院料4だ。関東信越地方で4施設の減少、東北地方で3施設の減少となっている。



 なお、関東甲信越地方からは5施設が急性期一般入院料を取り下げている。経営統合や機能転換と思われるが、急性期機能の集約化は進んでいると考えられる。また、岩手県・三重県・高知県では新たに届出が増えていることが確認できている。詳細を確認できていないが、病床削減を契機に地域一般入院料からの移行などがあったのかもしれない。



地域包括医療病棟、関東甲信越地方で7施設の増加を確認。山形県・岐阜県に初めての届出

 増加基調が続く地域包括医療病棟だが、これまで届出が確認できなかった山形県と岐阜県で届出を確認。なお、現在まだ届出が確認できていない都道府県は富山県・山口県・愛媛県・香川県となった。

 



 令和8年度診療報酬改定に向けて、地域包括医療病棟に関しては平均在院日数と退棟時のADL低下割合などの要件を緩和する方向で議論が進んでいる。今後、参入が増えることと同時に、セラピストや管理栄養士等の確保が重要になってくることが予想される。


参照:地域包括医療病棟の要件を緩和。将来的に急性期一般入院料1以外との整理に向かうことに。看護配置の柔軟化に対する議論と看護マネジメント力を推進する評価設計へ









協力対象施設入所者入院加算、増加基調が続く

 令和8年度診療報酬改定において、重症度、医療・看護必要度の重症者割合の底上げに関連する項目として注目を集めている項目ということもあってか、届出は増加基調が継続している。鹿児島県で1病院が取り下げていることが確認されているが、鹿児島県では急性期一般入院料の届出は先月と変化がないため、病院側の事情だと思われる。





精神科地域包括ケア病棟入院料、1施設の純減

 都道府県別でみると最も多く精神科地域包括ケア病棟があるのは愛知県だ。本年6月時点で9施設あったものの、徐々に減り、10月時点で6施設となった。最も多いことに変わりはないが、新規届出が10月はなく、全体で1施設の純減となった。





 令和8年度診療報酬改定に向け、精神病床については病棟への多職種配置の評価や外来診療の比重を高めたり障害施設との連携を行い病床削減をすることを新たに評価することが検討されている。精神科地域包括ケア病棟の運営に係る内容ともいえ、施設基準そのものの見直しにも期待が集まる。


参照:精神病床の削減に躊躇しない中小規模の精神病院に対する評価の検討と敷地内薬局に対する厳格なルールの検討へ



在宅療養支援診療所、9月から40施設の増加。一方で、減少が続く都道府県も

 在宅療養支援診療所について、9月に17施設の減少があったが、10月は40施設の大幅増となった。特に、大阪府では14施設の増加となっている。ただよく見てみると、東京都・岡山県・大分県・長崎県は直近3カ月は連続で減少となっている。なかでも、長崎県は本年4月から減少が続いている状況となっている。




 在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院はいずれも微増となっている。 

 愛知県で在宅療養支援病院が直近3カ月で増加基調となっている。4月以降で6施設の増加だ。

 千葉県で在宅療養後方支援病院が2施設増加、大阪府で1施設増加。奈良県と福岡県でそれぞれ1施設の減少となった。





 在宅療養支援診療所と在宅療養後方支援病院はいずれも頭打ちの状況が続く。令和8年度診療報酬改定に向けて、包括期入院(急性期一般入院4-6、地域一般入院、地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟などを想定)における後方支援機能の指標作りが進められる。


参照:緊急入院/高齢者救急、協力対象施設入所者入院加算の実績等で看護必要度の評価を底上げする見直しを検討、高額薬剤の使用を理由としない入院受入をどうするか? など


 在宅療養支援病院・在宅療養後方支援病院はそれら指標において重要な意味を持ってくると考えられる。それは、新たな地域医療構想ではじまる医療機関機能報告にも関連し、地域における自院の役割、地域内の医療機関・介護施設に対して支援できることを明確にすることでもある。