令和4年10月改定が答申される ~マイナ保険証の推進、看護職員の処遇改善~

8/12/2022

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 令和4年8月10日、中医協総会にて、10月からの診療報酬改定について答申された。その内容は、以前からお伝えしている「療担規則における2023年4月からのオンライン資格確認の原則義務化(紙レセプトでの診療報酬請求が認められている医療機関は例外)」「電子的保健医療情報活用加算を廃止し、医療情報・システム基盤整備体制充実加算を新設」「看護職員処遇改善評価料を新設」の3点。

参照

中央社会保険医療協議会 総会(第527回)

看護職員処遇改善評価料の施設基準(案)が明らかに。そして、マイナ保険証原則義務化に向けた議論のはじまり。


「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」について確認してみよう。これまでの「電子的保健医療情報活用加算」は規定路線通りの廃止となっての新設扱いだが、報道されている通りの加算ということで、患者の負担は減額となったが負担することに変わりはない。ただ、大きく違うのは、再診での負担が無くなったこととマイナ保険証を利用する患者の負担が軽減されている点。

なお、情報通信機器を用いた場合の初診の場面を想定してか、加算2では、他の医療機関からの情報提供を受けての診療の評価となっている。



押さえておきたいポイントとしては、院内及びホームページに掲示すること(参照:院内掲示物について考える ~インストアマーチャンダイジングの発想を取り入れる~)、オンライン資格確認で得られた情報を活用診療を行うこと、の2点。具体的には、受診時に健診情報と服薬(処方薬)情報について確認することが求められている。

合わせて、療担規則においてマイナ保険証が原則義務化されたことに伴い、導入をさらに後押しすべく補助の上限額を引き上げている。


電子処方箋も令和5年1月よりスタートすることを考えての対応が求められる。

加算ということで、患者が負担することに変わりはない。一方で、医療機関としては、ランニングコストをどう捻出するか、などの課題もある。でも、決まったことでもあるので、どうやれば患者にとって、医療機関にとって最善の運用となるかを考えて進めていく姿勢が大事だ。
少しの先のことを考えてみたい。今後、本加算はいづれは廃止されるのが前提だといえる。オンライン資格確認の体制が整備されれば、加算の意味はなく、初診料や再診料の要件などに組み込み、初診料・再診料の引き上げや減算で対応していくことになるのではないだろうか。これまでの診療報酬改定では、こうした加算は、7割を超える医療機関での実績が確認できれば、廃止され、基本料等に組み込むことがよくあることだ。

看護職員処遇改善評価料にについてはこれまでもお伝えしてきたが、今回は点数と短冊でマスキングされていた数値が明らかになっている。

短冊では、「救急医療管理加算に係る届出を行っている保険医療機関であって、救急搬送件数が年間で●件以上」となっていたところは、当初の案通り「200件以上」となった。また、施設基準(2)にある救済措置については「救急搬送件数が年間で200件以上の基準を満たさなくなった場合であっても、賃金改善実施年度の前年度のうち連続する6か月間において、救急搬送件数が100件以上である場合は、基準を満たすものとみなすこと」とされた。なお、前回届け出た時点と比較して、直近3か月の「看護職員等の数」、「延べ入院患者数」及区分を算出する計算式【A】のいずれの変化も1割以内である場合においては、区分の変更を行わないものとするとされている。
さて、注目されていたのが賃金改善措置の対象とすることができる職種に薬剤師は加えられていない。ただ、「その他医療サービスを患者に直接提供している職種」は対象となるので、薬剤師がこの中に加えられるかどうか、今後注目したい。

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