令和4年度診療報酬改定では、感染対策向上加算や人工透析の導入期加算3など、地域の基幹病院が近隣の医療機関とのカンファレンスや研修などを行うことを評価する項目が増えたのが特徴的だった(参照:地域のオピニオンリーダーの役割は、地域医療の質向上と負担の分散による働き方改革の推進)。この目的とは基幹病院での治療を終えた後の連携先となる近隣医療機関でも切れ目なく、継続した治療・リハビリテーションを行えるための準備であるとともに、重症者が基幹病院に集中しないように近隣医療機関での対応力を上げるなどの目的もある。こうした連携において、かかりつけ医のバックアップ機能を果たす、というのが一般病床200床以上の病院には期待されている。そのバックアップ機能で大切なものとして、専門医によるかかりつけ医への適切なアドバイスや情報提供がある。
地域医療連携において、かかりつけ医から病院に紹介をしたら、病院側から返書というものがある。紹介いただいた患者の経過報告として、受診時・検査を受けたその結果・入院予定日・入院中の経過と退院予定日など、4回ほどのタイミングがある。連携では、こうした返書が適切なタイミングで行われることで双方の信頼感がたかまるものだ。連携はこうした信頼関係の積み重ねがあってこそのもの。そして、こうした返書等においては、単に経過報告をするだけではなく、専門医としてのアドバイスなどがあるとさらに信頼関係を高めることになる。とはいえ、地域によっては連携そのものが難しい環境にあったり、また昨今のCOVID-19感染拡大による訪問規制もありMRなどから情報を得にくくなっている状況にあるのも確かで、改めて情報流通ルートを確保することも必要だ。
先日、「健やか親子支援協会」より「指定難病・小児難病における診療医療機関・検査機関」のページ(協力・ミーカンパニー株式会社)が公表され、様々なメディアで取り上げられ、話題になっている(参照:“小児希少難病”サイト開設 地域医療機関に向け専門医紹介・NHK)。
こうしたWebサイトによる情報発信は非常に助かることだろう。また、各製薬メーカーにおいては訪問規制などの影響もあってか、自社ホームページのコンテンツが非常に充実していると感じる。改めて情報を入手するための流通ルートを確保することを意識しておこう。