令和4年8月19日、社会保障審議会医療保険部会が開催され、オンライン資格確認に関する取組の現状と今後について話われている。
オンライン資格確認については、令和4年度中にほぼすべての医療機関に導入することを目標にし、そのためには9月末日までに50%の施設での導入を目指して取り組んできたところ。つい先日は、10月からの診療報酬改定における新たなオンライン資格確認推進のための診療報酬項目の見直し及び療担規則で令和5年4月からの原則義務化が答申された。それに伴い、導入にあたっての補助が拡充された(参照:)。現時点での導入状況は26.8%という状況で厳しい状況となっている。
普及促進を後押しするため、都道府県単位でのオンライン資格確認の普及に向けた連携会議を設置することも今回明らかにされた。「連帯」とあるのは、地方厚生局・支払基金支部・国保連による連帯を意味する。担当者を設置して働きかけを強化することとなる。また保険者協議会にて推進に向けた議論も積極的に行っていくこととなる。骨太方針では、リフィル処方箋や地域フォーミュラリへの保険者の積極的な関わりや被保険者への周知を期待し、インセンティブを検討しているなど、保険者による患者への情報発信機能にも期待が寄せられていることが分かる。今後の地域医療連携において、患者への広報・周知の面で保険者の関わりが重要なキーポイントになる。
また、オンライン資格確認の今後について、令和6年度4月より訪問診療・訪問看護等でも利用開始できるように開発に着手することが明らかになっている。初回訪問時にモバイル端末を医療従事者が持参し、確認するということになる見通しだ。なお2回目以降については、モバイル端末の持参はせず、医療機関にて保険者資格が有効かどうかの確認をするというものをイメージしている。
オンライン資格確認については、患者の費用負担等ばかりクローズアップされて、ややネガティブに思われてしまっている。使い方次第ではあるが、患者にとってのメリットや医療機関の働き方推進には効果があることは確か。システムの運用のソーシャルコストとして理解得られるように、保険者機能を活用するなどして、まずは地域住民の理解を得られるように進めていってほしいと思う。