令和4年7月26日、独立行政法人福祉医療機構より令和4年度診療報酬改定に関する影響のアンケート調査結果が公表された(2022年度(令和4年度)診療報酬改定の影響等に関するアンケート結果について-感染対策・急性期-)。今回は高度急性期/急性期/回復期の一般病床に対するもので、感染対策向上加算や急性期充実体制加算など今回改定で新設された高度急性期入院医療に関するものが中心となっている。経営状況に関するもの、重症度、医療・看護必要度に絞ってみてみたい。
なお、改定の影響を受けた医療機関については、どうやら感染対策向上加算の算定ができたかどうかが大きなポイントのようだ。
減収となった病院についても、病床利用率や診療単価が逆に下がった、という回答があった。院内でのクラスター発生や職員の休職や退職などで受入れキャパシティに影響が出た病院などもあったのかもしれない。急性期病院以外の病院であれば、転院の受入れなどの問題もあったのではないかと感じる。
重症度、医療・看護必要度に関する影響についても調査されている。まず確認だが、A項目から「心電図モニターの管理」が削除されることが話題になっているが、これは半年間の経過措置があるため、実際は10月からの影響となる。ただ、重症度、医療・看護必要度の評価は過去3か月間の平均値となることから、6月から事実上のスタートともいえる。
この「心電図モニターの管理」を削除することの影響を鑑みてなのか、重症者割合の引き下げは限定的であった。そのため、重症者割合を満たす病院は逆に増えた。ただし、10月以降は変わってくることが考えられる。実際に、「心電図モニターの管理」が削除されることの影響を懸念する声が約半数を占めている。
なお、令和4年度診療報酬改定では、「救急医療管理加算」が見直され、消化器疾患で緊急処置が必要とする患者や蘇生術を必要とする患者が追加となっている点に注目したい。
重症度、医療・看護必要度にはドレナージ管理と救急搬送ではスコアが2点になり、その上、今回は「救急医療管理加算」は増額となっている。地域における自院の役割を明確化する、近年の診療報酬改定は地域医療構想と歩調を合わせながら、静かに推進することを迫っている。