医療機関・介護事業所において、物価高の影響が大きくなってきている。そこで、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の支援拡充を関連団体が要望をしていることが伝えられている。
参照
日医・猪口副会長 物価高騰で医療機関・介護事業所等への「新型コロナ地方臨時交付金」による支援を要望(ミクスオンライン)
光熱水費、食材料費の値上げの対応に臨時交付金。景気の影響を受けて、今から備えておきたいことを整理
苦しんでいるのは、地域住民・患者も同じだ。さらに本年10月からは患者負担増となる制度が2つ始まる。一つ目は後期高齢者の窓口負担割合の変更。一定の所得がある方に限定されるが、1割負担から2割負担と2倍になる。ただし、3年間は自己負担が3,000円以下に抑えられる緩和措置が入る。
そして2つ目は、大病院の受診時定額負担の総額。紹介状なしで初診による受診だと、選定療養費とは別に5,000円の定額負担であったが、これが7,000円になる。ここで言う大病院というのは、一般病床200床以上の病院が対象で、その中でも地域医療支援病院・特定機能病院は義務となる。なお、来年明確になる紹介受診重点医療機関(一般病床200床以上のみ)も義務となる。
医療機関にとっては、受診抑制につながることや気づかぬ内に重症化が進むことなどが懸念されるが、患者の経済状態も考慮していかなければならない。患者にとっての最善は、治療・服薬を継続し続ける事。そう考えると、患者の状況に合わせて、オンライン診療やリフィル処方箋を医療機関側からも選択肢の一つとして提示していくことも必要になってくるだろう。骨太方針や春の建議にもあるように、今後リフィル処方箋は保険者・患者側からの要請が増えてくることは十分に想定されることなので、医療機関としても準備をしておくことが必要だ(参照:2022年・春の建議を読む ~地域医療連携推進法人に包括支払の導入、地域フォーミュラリ、リフィル処方箋など~)。ただ、当然ながら患者にとっての最善が検査を受け直接指導や処置が必要であれば、受診を促すことは必要なことを説明できるようにしておきたい。