2022年7月13日、国際モダンホスピタルショウ2022に参加。実に4年ぶりくらいの参加だったが、この4年間の環境変化の影響を如実に感じた。
まず、出展数の明らかな減少。大手電子カルテメーカーは軒並み出展がなかった。自社のウェブサイトを通じたプロモーション、独自のオンラインフェスやセミナーでPRをするようになっている傾向が大手メーカーでは多い。私もよく講演の機会をいただいている。医療機関ではまだ感染対策なども続いていることもあり、医療機関関係者の来場が少ないのでは、との読みもあったのかもしれない。その一方で、クラウド型の電子カルテや100床前後の中小病院向けの電子カルテなどはいくつかあった。400床以上の病院ではほぼ導入を終え、これからは399床未満の病院と診療所に対しての医療情報化支援基金による導入の補助も始まるので、注目度は高い領域なのだろう。
そして、地域医療連携に関するシステム、働き方改革に関するアプリケーションやサービスが目立った。当然だが感染対策に関する商品・サービスも多い。
地域医療連携に関しては、ニーズが高いのはわかる一方で、費用対効果、KPIをどう設定して評価するかが難しいところ。そして、ランニングコスト。誰が、どれだけ、負担し続けるのか、といった課題もあり、またネットワークが乱立することになれば、判断に迷い、患者に負担をかける事にもなりかねない。地域住民にとっての最善とは何かを突き詰めていくことが重要だ。そう考えると、行政機関や医師会などの協力は必要になってくる。
地域医療連携システムについては、2021年12月に日本医師会総合政策研究機構より「ICTを利用した全国地域医療情報連携ネットワークの概況(2019・2020 年度版)」が公表されているので、ご関心ある方はご確認されることをおすすめする。参考までに、資料の中で気になった図表を以下にご紹介したい。