先日、とある医療機関を一日で3件訪問してきた。そこで改めて気になったのが院内掲示物の多さだ。どれも大事なのはわかるが、患者の視点に立ってみると、どれが大事なものなのかが分からないし、自分に関する情報なのかどうかも分からないものもある。そこで、掲示物について、改めて以下の点について確認をしておきたい。
内容の確認
・誰に、何を訴えたいかが明確か
・主語、述語、目的語(SVO)で構成されているか
・来院する対象者に合わせた文字の大きさやイラストになっているか
ロジカルシンキングという言葉がある。物事を筋道立てて整理して、矛盾のない思考をするもので、「論理的思考」と訳される。個人的な考えだが、ロジカルシンキングとはSVOになっているかどうか、ということだと思う。正しく伝えるために、SVOの文法に沿った表現になっているかを確認したい。
掲示の方法
・患者層に合わせて、目の高さに大事な情報が目に入るようになっているか
・掲示物同士の間隔は適度に開いているか
・期日など過ぎている掲示物が貼りっぱなしになっていないか
インストアマーチャンダイジングという言葉がある。あまり聞きなれない言葉だと思うが、マーケティングの専門用語で商品やサービスの陳列の最適化を図って、売上を最大化する考え方のことをいう。例えば、ゴールデンゾーン(ゴールデンライン)とよばれるもっとも見やすく、手に取りやすい高さという考え方がある。また人の視線の動きは左上からZの文字を描くように見る傾向にあることなども知られている。こうした考え方を活かした掲示物の効果的な貼り方など検討したい。
参照
なお、以前もご紹介したことがあるが、外来待合室などでDVDなど許可なく放映することはご注意を(参照:外来の待ち時間、その定義と対応策(IT導入補助金など)を考える)。