今年は参議院選挙の年。選挙活動も見据えて、骨太方針についても様々な思惑が入り混じる。
マイナ保険証の加算措置見直しへ 政府、利用者の負担軽減(産経新聞)
いづれは健康保険証を廃止して、マイナンバーカードに集約していく方針。そして、気になるのが令和4年度診療報酬改定で新設されたマイナンバーカードの使用促進をするための報酬である「電子的保健医療情報活用加算」を見直す方針とのことだ。
オンライン資格確認の有用性については以前も述べた(オンライン資格確認の現況(2022年3月13日時点)、今後について。)。ただ、接続料などの通信費、保守メンテナンス料などは医療機関の負担となる。今回の電子的保健医療情報活用加算はその負担を患者が一部担うともいえるが、得られた患者情報を日常診療に活かすこと、どこの地域でもオンライン資格確認を通じて情報を参照し、どこでも必要な医療を速やかに受けることができるというメリットがある。電話料金の明細書をみたことがあるだろうか。その明細書には「ユニバーサルサービス料」という項目があり、電話を利用する者に対して一律に負担が求められている(ユニバーサルサービス制度)。
今回の電子的保健医療情報活用加算もユニバーサルサービスと考え、打ち出すことができればよかったのかもしれない。戦争、円安、急激な景気回復は物不足を呼び、様々な物品高、輸送コストの増大、光熱水費や給食材料費などが今後も続く。医療機関の経営にとっては、売上以上に利益をどうやって確保するか悩ましい。