現状ではかかりつけ医については明確な定義があるわけではない。2022年6月に公表される骨太方針2022にて、かかりつけ医に関する認定制度の創設を盛り込むことなどが検討されているが、個人的には制度として作るのではなく、患者が自分のかかりつけ医を指名できるように、わかりやすく情報開示をするというのでもよいのではないかと思う。そのかかりつけ医について、つい先ごろ「かかりつけ医機能に関する事例集」がまとめられ公表された(厚生労働省 かかりつけ医機能の強化・活用にかかる調査・普及事業)。この事例集では日本医師会・四病院団体協議会合同提言「医療提供体制のあり方」によるかかりつけ医及びかかりつけ医機能の考え方を基にしている。
詳細は是非内容を見ていただきたいので解説は省くが、地域の限られた医療資源を有効活用すべく、様々な取り組みが掲載されている。個人的に感じたのは、かかりつけ医機能の事例集というよりも地域う包括ケアシステムの事例集ともいえるようなものもあり興味深かった。また、かかりつけ医が主役となって病院がバックアップする体制を築くこと、すなわち逆紹介や夜間を含めた緊急対応などで患者・家族だけではなく、かかりつけ医にも安心感を与えることが重要だと改めて感じた。現状の診療報酬ではかかりつけ医機能に関する評価が明確にされている。これから議論が進むかかりつけ医認定制度にどのようにかかわっていくかわからないが、改めて役割分担の視点で整理してみる。
外来機能報告制度もこれから始まる。外来における専門医機能とかかりつけ医機能の分化・役割分担がこれからはじまる。これまでに執筆したかかりつけ医機能・外来機能分化に関する記事を紹介する。