地域の医療機関で基幹病院となるものの多くは都道府県知事から「地域医療支援病院」の認定を受けていたり、市中の急性期医療を主に担うケースが多い「臨床研修指定病院」の指定を国から受けているものが多い。いずれも、公的な認定・指定であることもあっ経営に関する情報が公表されている。地域医療連携の関係性を紐解くうえで、基幹病院が持つ機能、患者数やその傾向を知っておくのは非常に有用だ。
地域医療支援病院とは以下の図に示してあるように、都道府県知事が認定する地域の基幹病院。原則として、一般病床200床以上の病院であったり、紹介率・逆紹介率が一定水準を満たしていなければならないが、地域の実情によっては一定水準を満たしていなくとも知事の判断で認められることがある。二次医療圏に一施設を目安としているが、地理的な事情等も含めて厳密ではない。
基本的に外来は紹介患者中心で、救急医療を担い、地域医療の質向上に向けた研修を定期的に行うことも求められていることから、地域の基幹病院とされる。この地域医療支援病院については、毎年「地域医療支援病院業務報告書」の提出が求められ、多くは都道府県のホームページに掲載されている。紹介率・逆紹介率や地域医療連携の進展を示すうえでの地域医療連携クリニカルパスの作成と運用状況、地域の医療従事者に向けた研修の内容や参加人数なども公表されているケースもある。なお、連携している医療機関名と対応できる診療科も合わせて掲載されているが、実際に連携の実績がどれほどあるかまではわからない。先に述べたように、業務報告書は都道府県のホームページに掲載されているケースが多いので、「〇〇県、地域医療支援病院、業務報告」で検索をしてみると見つかるだろう。政令指定都市や中核市などの場合は「〇〇市、地域医療支援病院、業務報告」の検索で出てくることもある。
基幹病院のポテンシャルの変化、機能の変化は医療提供体制や近隣の医療機関の経営に栄養を与える(例えばリハビリテーションを開始することになったら、近隣のリハビリテーション機能を有する医療機関の患者数に影響ができる)ので、注目しておきたい。
臨床研修指定病院とは、医学部を卒業し、医師免許を取得したあとの2年間の臨地研修(初期臨床研修)を行う病院で、厚生労働省の審査を受けて指定を受けた病院が研修医と雇用契約を結び(研修医且つ勤務医として)受け入れることができる病院。従来は大学病院がほとんどだったが、2004年の制度改正による要件緩和で民間病院でも多く指定を受けられるようになった。なお、臨床研修指定病院には3つの種類がある。
指定を受けるには、厳しい審査もあり、実績も求められることから、こちらも地域における急性期医療の中核を担うとともに、教育・人材育成を担う基幹病院としての側面もある。この臨床研修指定病院では年次報告書を作成し、公表することとなっている。その多くは、病院のホームぺージ上にある臨床研修医募集のページなどで見ることができる。年次報告書はいくつかの項目があるが、診療科毎の年間及び1日あたり平均外来患者数なども確認できるようになっている。
指定を受けるには、厳しい審査もあり、実績も求められることから、こちらも地域における急性期医療の中核を担うとともに、教育・人材育成を担う基幹病院としての側面もある。この臨床研修指定病院では年次報告書を作成し、公表することとなっている。その多くは、病院のホームぺージ上にある臨床研修医募集のページなどで見ることができる。年次報告書はいくつかの項目があるが、診療科毎の年間及び1日あたり平均外来患者数なども確認できるようになっている。