外来機能分化で得られるメリットの一つとして、外来の待ち時間短縮があげられている。確かにそうだとは思うが、時間の感じ方は人それぞれ。私も定期的に通院しているが、3か月後に、8:00に某大学附属病院に入って、検査が08:30には終了、そこから診療まで約1時間ほど、実際の診療は5分ほど、その後会計で3分ほど待って、門前薬局で3分ほど待って、10:00頃には帰宅、という感じだ。病院の徒歩圏内に住んでいることもあってか、待ち時間が気になったことはないし、本を持ち込むなどなど準備していることもある。
ところで、そもそも待ち時間をどう考えたらよいのだろうか。
まず確認しておきたいのは、待ち時間の始まりはいつか?ということだ。それは、受診しようと思ったところから始まっている、と私は思っている。最近は、ホームページで予約システムやWeb問診などもあり、非常に待ち時間対策としても、また密な環境を作らないためにも有効的だ。ということで、すでに自宅にいる時から待ち時間は始まっていると感じている。そう考えると、医療機関までのアクセスと手段の時間も待ち時間と考えることになる。公共交通機関の時刻表や自院の駐車場のスペースなど重要になる。来院するまでに時間がかかっていれば、すでに不満は高いことになる。
もう一つ、待ち時間で注意しておきたいのは、診療後のお支払いまでの時間だ。診療までは患者さんだが、診療を終えてお支払いする段階になるとお客様になる。また、患者さんと対応するのは医師ではなくなり、態度も変わることもある。最近は自動精算機などあるが、クレーム対策としても有効だといえる。診療後の待ち時間こそ注意しておきたい。
待ち時間対策として、医療ICT関連が役立つことをお伝えしたが、これらの導入にあたっては、「IT導入補助金2022(医療)」の利用を検討したいところ。お取引のある金融機関や税務顧問、医薬品・医療機器卸の方に相談してみることをおすすめする。
ちなみに、医療機関では待合室などで市販されているDVDを放映していたり、アニメのキャラクタなどのイラストが飾ってあったりするが、著作権侵害となる可能性があるので、注意しておこう(待合室などにおける上映権について【注意喚起】/日本医師会)。