COVID-19感染拡大の影響がいまだ猛威を振るっている。その最中、4月1日に以下の気になるニュースがあったでご紹介して、感じたことを整理しておきたい。
1.第6波「自宅死」161人、搬送段階で感染発覚のケース急増…「
2.死後に糖尿病特定するカギ、東大生ら突き止めた 事件調査で活用期待
一見すると関係性のない記事のように思うかもしれない。
いづれも共通するのは、すでに何らかの疾患(後者は糖尿病)を有しているにも関わらず、患者自身が自覚がないこともありうるために、重症化して、死に至っているケースがある、ということだ。
COVID-19感染拡大はデジタル化の推進のきっかけとはなったが、医療の場面で言えば、医師と対面診療をする機会が減ったともいえる。そのため、自覚症状が感じられにくい疾病ほど重症化が進んでいる患者がいることも十分に考えられる。ちなみに、私の母もこの受診控えの期間に医薬品の服用を怠るなどして糖尿病が悪化し、右足の膝下を切断することになった。母の入院する病院ではそうした手術が多いとも聞いている。
オンライン診療、リフィル処方箋はCOVID-19感染拡大を意識しての今後の拡充ということといえるが、やはり必要があれば対面診療が必要だと思われる。また、医師と対面する機会は減ったとしても、医薬品を受け取るためや服薬指導を受けるために薬局薬剤師と会う機会と数は変わらないことを考えると、薬局薬剤師と処方医との情報共有や薬剤師による受診勧奨が重要になるといえる。なお、オンライン診療については、今回の診療報酬改定により、200床以上の大規模病院でも積極的に利用できるように評価と対象となる患者も拡充されていることから、より薬局薬剤師との連携が重要になると思われる。
他にも、後発医薬品についても複数を一気に変更するのではなく、一剤ずつ変更しながら確認をしていくことなどの工夫も必要だ。リフィル処方箋をそうした対応で活用することもできる。また、健康サポート薬局や昨年から都道府県知事による認定が始まった地域連携薬局による簡易な検査を医薬品受取り時に行うことなど徹底していくことで早期発見にもつながることが期待できる。なお、海外ではリフィル処方箋による医薬品の受け取りの際に、薬局で血糖検査や血圧測定をし、その結果を踏まえて医薬品を薬剤師が渡すかどうかの判断をしている、というところがあると聞く。薬局には地域のヘルスケア相談ステーションとしての役割が期待されているわけだ。地域包括ケアシステムにおける薬局の役割の一つといえる。