毎年6月に審査されたレセプトから、医療行為等に関する状況を毎年この時期に報告されている。ちなみに、6月末には精神科領域における病院や診療所、訪問看護ステーションを利用する患者の実態を把握する630調査が実施され、さらに7月1日はその日時点の病床機能が病床機能報告の報告内容となる。
今回公表された令和3年度社会医療診療行為別統計は、一昨年前と比べると当然のことながら、受診・手術などが戻りつつあることがわかる内容だ。特に、DPC対象病院においてはDPC対象外病院と比較してもその診療単価の高さに驚かされる。また外来においては、検査の割合が高まっているが、これはCOVID-19感染の検査も含めて考えておく必要がある。ただ、初・再診は緩やかに戻りをみせ、診療行為別ではリハビリ・医学管理も伸びていることから戻り基調に当時はあったといえるが、昨年を振り返ると、この6月以降も8月などに感染拡大があったように思う。あくまでも6月時点の者であることに注意してみて、戻り基調が継続しているかどうかは慎重に見ておく必要がある。なお、個人的には地域差に着目したいところ。残念ながら今回の概況ではそこまではわからない。NDBオープンデータや退院患者調査を待つことになるが、今回の感染拡大は地域で感染者数に差があることや、医療提供体制(施設の充実度や在宅医療の実施状況)の差もある(参照:公的統計、オープン情報の活用④ DPC「退院患者調査」と注意点)。
以下に今回の概況から主だった箇所を掲載する。