昨日(2022年6月6日)、テルモ様・ゴージョージャパン様・メディバンクス様共催による「第4回感染対策WEBセミナー 感染対策向上加算 今取り組むべきこととこれから」にて、講演させていただく機会を頂いた。私のテーマは「診療報酬改定から読み解く、感染対策を踏まえたこれからの医療政策と経営」。20分という限られた時間で、伝えきれなかったこと・中途半端になってしまったこともあるので、改めて伝えたいことの補足とキースライドをここでご紹介したい。
(参考:続・地域医療の再編を巡る話題(病床の基本的な考え方を整理します))
感染対策向上加算1の経済的効果はすさまじいが、それ相応の地域における責任を負うことやた医療機関の支援をすることに対する評価だからこそ。ところで、今回の診療報酬改定では「~していることが望ましい」という表現が多くある。感染対策向上加算3にもあるが、「~してることが望ましい」という表現、次の改定は必須となる可能性もある。これまでがそうだった。望ましい、とあれば2年の経過措置、と思うようにしたい。
これまでの診療報酬改定でも、他の医療機関との連携を評価する項目があったが、今回もさらに拡充することとなっている。これまでと違うポイントとしては、地域のオピニオンリーダーを明確にし、そのオピニオンリーダーが地域医療の底上げを図ることで、対応できるキャパシティを上げ、オピニオンリーダーの施設に患者が集中しないように、負担を分散することで働き方改革を実現しつつ、患者の利便性を高める事。特に今回注目しているが、人工腎臓の導入期加算3の医療機関。国としても、新規透析導入患者を今の4万人/年から、2028年には3.5万人/年以下にする、という目標を掲げている。今後は、慢性心不全対策などにおいても同様の取組が期待される。その前兆としてか、今回の診療報酬改定では回復期リハビリテーション病棟の対象患者に心大血管疾患リハビリテーション料の対象患者も加えられることとなった。
感染対策向上加算1の経済的効果はすさまじいが、それ相応の地域における責任を負うことやた医療機関の支援をすることに対する評価だからこそ。ところで、今回の診療報酬改定では「~していることが望ましい」という表現が多くある。感染対策向上加算3にもあるが、「~してることが望ましい」という表現、次の改定は必須となる可能性もある。これまでがそうだった。望ましい、とあれば2年の経過措置、と思うようにしたい。
また、加算とは、いづれなくなるもの。これまでを振り返ると、対象となるであろう医療機関の7割を超える施設で算定されるようになると、加算は廃止され、基本料の要件に加えられることがあった。感染対策は、あらゆる医療サービスの基本となることを考えると、いつかは無くなることを前提に、特に、算定ができていない医療機関においては、算定に向けた取組が必要になるだろう。
(参考:働き方改革と委員会活動の見直し)
今後の医療政策を考えていく上では、非対面診療の機会が増えることも意識してい置くことが必要となる。そうなると、外部との連携が必要になる。先ほどは高度急性期/急性期病院を核とした連携だったが、こちらは横の連携。医師が患者と会う機会が減るのであれば、会う回数は変わらない、薬局薬剤師の協力を得ることも必要になる。また、外来栄養食事指導料2では他の医療機関や栄養ケア・ステーションとの連携で管理栄養士による介入を開業医もでき、重症化予防につとめることができ、診療報酬上の評価も得られる。
今年度の医療政策のハイライト。早速、本日(2022年6月7日)には骨太方針等が閣議決定される見通し。そして、今年度末には紹介受診重点医療機関が公表される。
他には、地域包括ケア病床を有する医療機関においては、かかりつけ医機能を有する外来としたり、入院基準を地域に対して明確に発信していくことで、地域医療をサポートしていく、つながりを持つことをPRしていくことがこれまで以上に必要となるよう、診療報酬も見直されている。また、急性期からの転棟や在宅復帰においては、重症度、医療・看護必要度のB項目を連携で活用していくことが必要だ。
2024年は「惑星直列」の年。診療報酬・介護報酬の同時改定、第8次医療計画、新しい介護保険事業計画のスタート、勤務医の働き方改革のスタート、そして地域医療構想のゴール。2023年度はそうした2024年に向けた重要な政策論争の場になることを意識しておきたい。