2024年度からの第8次医療計画に関する審議がおこなれているが、つい先日(2022年6月15日)は外来医療計画をテーマに行われたところ。外来医療計画は2020年から導入され、各都道府県で策定されているが、COVID-19感染拡大のタイミングもあり、やや認知度や実効性に課題を抱えている。なお、この外来医療計画は地域医療構想や医師確保計画などで構成される医療計画の一部である。
この外来医療計画については、「新規開業規制」の計画とよく言われていたのを思い出す。厳密に言えばそれは間違いで、開業の自由は守られている。ただし、外来医師多数区域(人口10万人あたりの医師数をベースに算出する「診療所による外来対応割合」を参考値にして決定)に新規で診療所を開業する場合は、当該地域で不足でしている必要な医療を担うよう求める事ができる、ということとなっている。そして、その求めに応じられない場合は、地域医療構想調整会議などの協議の場などで説明を、そしてその内容が公表されることとなる。
また外来医療計画においては、地域における高額医療機器の共同利用を促す内容がある。
受診の行動変容、医療資源の集約と連携強化となる一方で、その周辺ビジネス(販売、保守メンテナンス)には多少なりとも影響はあるだろう。高額医療機器については、国内は守りと保守メンテナンスに、販売は海外へ、という中長期的な戦略も視野に入れておく必要がある。
今後、人口減少に伴い患者数は減る。医療の供給過多となる地域もでてくる。そして、高齢者の割合が増えることで、外来患者数は減少し、在宅医療の需要が高まり、通所系介護サービスに患者は利用者と表現を変えて移動していく。これまでは、診療所の外来が地域住民のコミュニティになっていたが、今やデイサービスにその場は置き換わってこうとしている。そこに、リフィル処方箋やオンライン診療などが加わり、対面診療の機会はますます減ることが想定される。対面診療の時間が減ることを契機に、在宅医療へのチャレンジや保険外サービスなど新たな事業を創造する機会としていくことも大事に感じている。特に今後の経営のことを考えると、保険(診療報酬)に頼った経営だけは難しい時代がやってくるように思う。新しいチャレンジは軌道にのるまで時間がかかるもの。だからこそ、早く取り組んで、今のうちに経験値を積んでおくことが必要だ。