後発医薬品の出荷調整に伴う医療現場への影響が続いている。
ジェネリック医薬品、なお2500品目で品薄 改善の見通し立たず(Yahoo!news)
この4月からの診療報酬改定では後発医薬品使用体制加算等において、使用割合の水準が引き上げられるなどの見直しが図られているが、こちらについては臨時対応中だ。こうした状況もあり、今年の骨太方針2022には後発医薬品の使用促進に関する記載は見送られたともいえる(バイオシミラーは掲載)。光熱水費や食材料費などが高騰する中、地域住民も生活に影響が出ないわけはない。患者の負担が上がることになれば、受診控えであったり、リフィル処方箋の要望なども上がってくることも考えられる。また、本年10月からは一定の所得がある後期高齢者の自己負担も1割から2割へと倍になることも注視しておきたい。
後発医薬品については、医療費抑制の観点から語られることが多くある。近年話題になるフォーミュラリもまさにその一環。ただ、勘違いしてはいけないのは、フォーミュラリは絶対ではなく、あくまでも参照するものであって、絶対ではない。そして何よりも、患者にとって最善の選択であるかどうか、ということ。患者によっては経済的な都合を優先する場合もある。
医療費抑制は、国民全体にとっての利益にもつながることで大事なことだが、それは一人ひとりの地域住民の健康や重症化予防が実現できてのこと。患者の現状にあった選択、提案、相互理解、そのためにも対話の時間を創出するための工夫が大事だ。