後発医薬品の使用促進、主語を患者に取組む

6/21/2022

r4診療報酬 ニュース解説 経営

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 後発医薬品の出荷調整に伴う医療現場への影響が続いている。

ジェネリック医薬品、なお2500品目で品薄 改善の見通し立たず(Yahoo!news)

この4月からの診療報酬改定では後発医薬品使用体制加算等において、使用割合の水準が引き上げられるなどの見直しが図られているが、こちらについては臨時対応中だ。こうした状況もあり、今年の骨太方針2022には後発医薬品の使用促進に関する記載は見送られたともいえる(バイオシミラーは掲載)。光熱水費や食材料費などが高騰する中、地域住民も生活に影響が出ないわけはない。患者の負担が上がることになれば、受診控えであったり、リフィル処方箋の要望なども上がってくることも考えられる。また、本年10月からは一定の所得がある後期高齢者の自己負担も1割から2割へと倍になることも注視しておきたい。

後発医薬品については、医療費抑制の観点から語られることが多くある。近年話題になるフォーミュラリもまさにその一環。ただ、勘違いしてはいけないのは、フォーミュラリは絶対ではなく、あくまでも参照するものであって、絶対ではない。そして何よりも、患者にとって最善の選択であるかどうか、ということ。患者によっては経済的な都合を優先する場合もある。


後発医薬品については、いわば国策のようにして推進されてきている。診療報酬でもそうだが、保険者努力義務の中でも保険者が取り組む医療費抑制策の一環として盛り込まれている(参照:注目される骨太方針2022 ~後期高齢者医療保険、R4年度保険者努力支援制度~)。そのためか、後発医薬品メーカーが非常に増えた印象だ。起きてしまった不祥事もあり、後発医薬品に関する信頼が揺らぐ中、どういった選択が重要かと考えると、AG(オーソライズド・ジェネリック)を優先的に選ぶことなどが真っ先に浮かぶ。ところが、このAGにも実は2種類あり、オート・ジェネリックとよばれるものとそうでないものの2種があり、オート・ジェネリックが従来のイメージに近いAGだといえる(m3.com 臨床ダイジェスト 「なんちゃってオーソライズド・ジェネリック」に注意【時流◆ジェネリックの現状】)。AGと言えば、原薬・添加物・製造方法、そして製造場所なども先発品と同一とイメージされるが、実際は異なるものもある。オート・ジェネリックとは、先発品と原薬の仕入れや製造場所などもすべてが一致しているもので、BE試験(生物学的同等性試験)も不要となっている(添付文書で確認できる)。また、選択においては「医療用医薬品最新品質情報集(ブルーブック)」を活用することも一つの選択肢だ。BE試験の有無も確認できる。

医療費抑制は、国民全体にとっての利益にもつながることで大事なことだが、それは一人ひとりの地域住民の健康や重症化予防が実現できてのこと。患者の現状にあった選択、提案、相互理解、そのためにも対話の時間を創出するための工夫が大事だ。

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