骨太方針2022にリフィル処方箋が記載されたことを受け、今後ますます注目を集めることになる。先日、日本保険薬局協会(NPhA)より「リフィル処方箋応需に関する調査報告書(日本保険薬局協会)」が公表されている。
今の調査の主体は薬局になっているので、薬局側の視点によるものであることに注意してみていく必要があるだろう。
ところで、先日、私は令和4年度診療報酬改定後に初めての受診の機会があった。3年ほど前から3か月ごとの通院を、すなわち3か月処方を受けている。私の通院先は歩いて2分で行けるので、あまり通院の負担は感じないので、リフィル処方箋についてはそれほどメリットを感じていないのだが、せっかくの機会なので、聞いてみようと思ったものの、頂いた処方箋には、すでにリフィルの箇所に取消線が...。
この受診に先立つ2日ほど前、とある雑誌の企画で、リフィル処方箋に関する座談会があり、実際にリフィル処方を出された先生のお話を聞くことがあった(座談会が掲載される雑誌は7月販売予定とのこと。改めてご紹介します)。そこで感じたのは、高齢患者の場合は難しいと思われることだ。介護支援専門から見ると、月に一度の通院は重要な外出の機会になっているので、アクティビティが下がってしまうことからあまり好まれていないこと、介護タクシーを利用する高齢者の場合はそのタクシー会社としても売上が下がってしまうこともあるので好まれていないことなど、本人の意向とは別に周囲の意向もある。そう考えると、今後始まる紹介受診重点医療機関などでの働き方改革も踏まえた取組の方が多くなりそうにも感じる。
なお、薬局側におけるリフィル処方箋に対する考えについては、先ほどの調査にも掲載されている。
今回の未体験を通じて、リフィル処方箋について改めて考えてみたが、それは、患者の現状(仕事や家庭サービスなどの時間確保を優先するのか、経済的負担を抑えて一日でも長く服薬し続けることを選ぶのかなど)を踏まえて、治療・重症化予防を続けるための選択肢の一つがリフィル処方箋であり、オンライン診療なのだと感じた。何が何でもリフィル処方箋で、というわけではなく、患者にとっての「最善」であるための選択肢の一つであることを改めて理解した。〇リフィル処方箋に関連した投稿