令和6年12月16日、第11回薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会が開催されている。薬機法改正に向け、薬局・薬局薬剤師の在り方をどのように考えていくか、現状の認定薬局制度やかかりつけ機能を中心に検討が進めされている。
参照:薬局・薬局薬剤師のかかりつけ機能を発揮するための機能と役割を再定義。健康サポート薬局のこれからにも注目を
今回の検討会では、専門医療機関連携薬局と敷地内薬局に関して議論されている。専門医療機関連携薬局には、敷地内薬局であるケースがよく見受けられる。何かと批判を受けがちな敷地内薬局だが、専門性を発揮するにあたっては有効でもあるといえる側面が垣間見える一方で、医療機関との関係性において気になる点も確認されている。
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専門医療機関連携薬局、対象となる疾患の拡大を検討へ
専門医療機関連携薬局は「がん等」を対象とした認定薬局の一つ。件数が増加の傾向にある。「癌」ではなく「がん」となっているので、局所ではなく、その周辺症状までを指している。
地域連携薬局も含めた認定薬局では、他の薬局との連携・情報共有に積極的であることもわかっている。それは、認定要件にあるためでもある。「がん」を対象とすることもあり、麻薬加算の算定実績が高い傾向にある。
認定薬局としての機能を果たしていることを踏まえて禍、さらなる対象範囲の拡大について「HIV」、「小児」といった専門医療機関等が設定されていたり学会による専門薬剤師の認定が行われている領域で検討を進めていく方針が示された。
敷地内薬局、場所のメリットを生かした連携も、医療機関との関係性には懸念される点も
令和6年度診療報酬・調剤報酬改定で敷地内薬局との関係性や敷地内薬局そのものの基本料の在り方について見直しがあった。総じて厳しい内容といえるとともに、一定のかかりつけ機能を求めるものとなったところ。今回の検討会では、実態を把握するべく、2023年10月24日から2024年3月15日までの期間で220の敷地内薬局に対して行った調査の結果について報告された。
その調査結果から目を引いたのは、医療機関との関係性について。公募プロポーザルがあったケースは78とのことだが、無回答が83あるため、実態がよくわからない。また、公募プロポーザルがあったケースで公募要件をみてみると、当該県内での実績のほか、薬剤師会への加入の有無などのほかに、病院が指定する時間の開局や会議室や駐車場の整備、コンビニやカフェレストランの整備が盛り込まれているものもあった。
また賃料をみてみると、400千円以下が最も多い一方で、1,000千円を超える薬局も少なくないという結果だ。医療機関との関係性で懸念される点だ。
その一方で、医療機関の敷地内にあることで患者からの信頼等が比較的高いように見られる点や、在宅を含めて積極的に取組んでいる敷地内薬局が多いことも注目したい。
調査結果の概要は以下の通り。敷地内薬局でならではのかかりつけ機能(リフィル処方箋の初回は敷地内薬局で応需し、2回目以降は患者の最寄の薬局に誘導・連携するなど)、医療用医薬品の備蓄・融通機能など個人的には期待したいところだ。また、認定薬局の取得など客観的に専門性や機能を明示できることなども。ただ、医療機関との適切な関係性をどう考えるか、議論が必要だ。
薬機法改正のみならず、令和8年度診療報酬・調剤報酬改定にも影響する検討会となるので、今後の議論の方向性など注視をしておきたい。