外来医師過多区域の案が示される。今後の予定を確認する。
令和8年1月19日、第123回社会保障審議会医療部会が開催され、医師偏在対策に関する議論が行われている。今回の議論では、外来医師過多区域の案が厚生労働省から示されている。ここでは、改めて医師偏在対策における外来医師過多区域とはどういうもので、今後どのように進めされていくか確認をする。
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外来医師過多区域とは?
厚生労働省令で定める基準によって候補となる二次医療圏のうち、外来医師が特に多い地域を指定するものであり、候補となる二次医療圏の中に、人口あたり医師数や可住地面積あたり診療所数等が特に高い市区町村や地区がある場合には、当該市区町村や当該地区を指定することも考えられる。
外来医師過多区域での新規開業はどうなる?
都道府県において、外来医師過多区域における新規開業希望者に対して、医療法に基づき、開業の6か月前に、提供する予定の医療機能等を記載した届出を求めた上で、当該届出の内容等を踏まえ、地域の外来医療の協議の場への参加を求めることができ、また、地域で不足している医療機能(夜間や休日等における地域の初期救急医療、在宅医療、公衆衛生等)の提供や医師不足地域での医療の提供(土日の代替医師としての従事等)を要請することができる。
本年(令和8年)10月以降に新規開業する診療所から対象となる予定。
新規開業に際し、求められる「不足する医療」とは?
・ 夜間や休日等における地域の初期救急医療の提供(夜間・休日等の診療、在宅当番医制度へ の参加、夜間休日急患センターへの出務、2次救急医療機関の救急外来への出務等)
・ 在宅医療の提供(提供が不足している地域がある場合)
・ 学校医・予防接種等の公衆衛生に係る医療
・ 医師不足地域での医療の提供(土日の代替医師としての診療等) 等
今後、都道府県において、外来医療の協議の場で、ガイドラインの内容を踏まえ、不足する医療機能、医師不足地域での医療の提供の内容について協議して、取りまとめ、公表することとする。
6か月前の事前届出の猶予が認められるケースは?
やむを得ない場合として厚生労働省令で定める以下の場合
・親が開設していた診療所について親の死亡により子が急遽承継する場合等、予期せず前任の開設者が不在となり、事業承継が必要となった場合
・その場合は、事業承継が終わった後に届出を求めるとともに、その「やむを得ない場合として厚生労働省令で定める場合」に該当する者を「届出をした者その他厚生労働省令で定める者」とした上で、通常のフローのとおり、必要に応じて協議参加の求め・要請・勧告・公表等を行う。
外来医療の協議の場に参加を求められる対象者、求められる説明は?
〇協議の場(3ヶ月に1回開催)への参加を求める対象者
・事前届出をした者に加え、事前届出義務があるが事前届出を行わなかった者及び事前届出 義務の猶予対象となる「やむを得ない場合として厚生労働省令で定める合」に該当する者を「届出をした者その他厚生労働省令で定める者」として規定し、必要に応じて協議の場の参加を求めることとする。
〇協議の場において説明を求める内容
・協議の場では、新規開業希望者に対し、地域外来医療の提供をしない理由及び当該診療所 で提供する予定の医療の具体的な内容について説明を求めることができることとする。
都道府県からの要請及び勧告の中身は?
〇要請を行う場合の回答期限
・要請に従わない場合は保険医療期間の指定期間が短縮されることがある旨を付記した上で、1~2週間程度の回答期限を定めて要請を行うこととする。
・期限内に回答がない場合、地域外来医療を提供する意向ありと回答しない場合は、要請に応じないものとして、都道府県医療審議会への出席の求め、厚生局への通知を行う(→保険医療機関の指定期間の短縮)こととする。
〇地域外来医療を提供しない「やむを得ない理由」(要請・勧告を行わない場合)
・ 地域外来医療を提供しない「やむを得ない理由」については、個別の状況を踏まえて総合的に判断されるものであるが、例えば、「夜間や休日における地域の初期救急医療の提供が求められているが、診療所に医師が1人しかおらず、当該医師が病気や育児・介護等で夜間や休日の対応ができない場合」、「 学校医となることが求められているが、学校側等との調整中である場合」等が該当する。
〇要請・勧告内容の実施状況(地域外来医療の提供状況)の確認
・都道府県は、要請を受けた診療所を対象に、年1回程度、要請・勧告内容の実施状況(地域外来医療の提供状況)を確認することとする。
※地域外来医療の提供状況の確認について、地域医療介護総合確保基金を活用可能とする。
・要請・勧告に応じなかった診療所が、その後、要請・勧告に応じて地域外来医療を提供している場合、保険医療機関の次回の指定期間は6年とする。
・外来医師過多区域における要請、勧告の状況等について、国が都道府県に対して毎年報告を求めることとする。