令和8年1月23日、第644回中央社会保険医療協議会総会が開催され、令和8年度診療報酬改定の個別改定項目の内容案が公表されている。2月13日頃と思われる答申に向けて、今回の短冊の内容を基に議論を詰めながらアップデートしていくこととなる。


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 短冊の内容と議論について、これから複数回に分けて確認、解説をしていきたいと思う。今回は、高度急性期・急性期入院医療について、短冊から要点をピックアップした。



実績の高い急性期一般入院料から「急性期病院一般入院基本料(AとB)」を拠点的機能として評価へ

 新たな地域医療構想では、医療機関機能報告が新設され、病院そのものの機能を明確にしていくこととなる。そこで、診療報酬も医療機関機能報告との整合性を図っていくことが必要となり、今回、救急搬送や全身麻酔手術の高い実績を有する急性期病院一般入院基本料(AとBの2区分)・急性期病院精神病棟入院基本料(AとBの2区分)が評価されることとなった。あくまでも「望ましい」となっているが、「看護師長又はこれと同等以上の職に従事した経験を5年以上有し、次に掲げる所定の研修(修了証が交付されるものに限る。)を修了した看護師を配置すること」点に注目したい。認定看護管理者などがイメージされる。




 さらに、高い実績を有する病院に対しては現行の急性期充実体制加算と総合入院体制加算を統合した「急性期総合体制加算」も新設されている。こちらはさらに、診療科のバラエティや心臓血管外科手術の実績など高度な医療の対応を有する病院を評価する。

 高度急性期病床については、特定集中治療室管理料の見直しに注目したい。管理料4・5・6を廃止し、管理料2・3で当該治療室内又は当該治療室の至近の場所に医師を配置する内容となっている。また、広範囲熱傷特定集中治療管理料を廃止し、特定集中治療室管理料への広範囲熱傷管理加算として再編し、簡素化されている。








 重症度、医療・看護必要度の見直しについては、これまでの議論の通り、A・C項目の追加や評点の見直し、救急搬送受入の評価で重症者割合を底上げするものとなる見通しだ。ただ、該当患者割合も引き上げられることが考えられる点には注意しておきたい。





DPC/PDPSの見直し、再転棟については転棟後の期間を問わず、原則として一連の入院として扱うことに

 DPC/PDPSについては、さらに急性期の純化を進めていく内容となっている。目を引くのが、「令和10年度診療報酬改定以降は急性期病院入院基本料A又はBの届出を行う医療機関とする」という文言だ。




 救急車等による搬送により入院した患者数が年間で700人以上または、救急車等による搬送により入院した患者数が年間で200人以上であり、全身麻酔による手術件数が年間で500件以上であることが標準病院群Ⅰの要件となる。満たすことができなくとも、DPCからの退出を求められることはなさそうだが、中長期的に見て、DPC対象病院を維持するかどうかの選択が迫られる中小病院は多いだろう。転換先としては、今回区分が見直されて、要件が緩和される地域包括医療病棟が有力となる。