【2026年1月レポート】急性期入院医療の集約化が進む。一方で、精神科領域の地域移行・地域生活支援で期待される精神科地域包括ケア病棟入院は対前月比で7施設の減少
弊社(HCナレッジ合同会社)で毎月集計している施設基準情報より、新たな地域医療構想・地域包括ケアシステムでもポイントとなる届出情報にフォーカスして現況等について毎月ご報告しています。今回は2025年11月時点の施設基準情報をお伝えします。
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急性期一般入院料、高知県で対前月比-2施設・福岡県では-3施設
急性期一般入院料については、対前月比(2025年10月比)で-6施設となった。都道府県別にみると、高知県で-2施設、福岡県で-3施設となっており、いずれも急性期一般入院料5・6の施設の減少となっている。また、急性期一般入院料1についてみると-5施設となっており、急性期一般入院料2-3へ移行したとみられる。
急性期一般入院料については、重症度、医療・看護必要度の見直しも予定されていることや、多職種配置による新たな評価も検討される。これまで不合理に感じられた面の解消(内科系症例に対する評価、包括評価や専従要件範囲の影響で多職種配置が困難であったことなど)が大きく期待される。
参照:急性期一般入院料1、救急搬送受入実績等に応じて、拠点的機能・一般的な急性期に分類へ。急性期一般入院料2-6では、多職種配置を加味した新たな評価を新設へ
地域包括医療病棟入院料、香川県で1施設目の届出
地域包括委医療病棟入院料は、対前月比で6施設の増加。香川県で初めての届出があった。まだ届出が確認できていないのは、富山県・山口県・愛媛県となった。
令和8年度診療報酬改定では、ADL低下割合・平均在院日数の要件緩和とセラピストや管理栄養士に関する専従要件の緩和が予定されている。DPCの要件が厳格化されることもわかっていることから、DPC対象病院から移行してくる病院も増えることが考えられる。
参照:地域包括医療病棟の要件を緩和。将来的に急性期一般入院料1以外との整理に向かうことに。看護配置の柔軟化に対する議論と看護マネジメント力を推進する評価設計へ
参照:入院時の食事と入院時生活療養費の基準額をそれぞれ40円・60円引上げへ。専従要件の範囲の見直しなど届出・算定方法の明確化を
地域内でのセラピストや管理栄養士といった人材の確保や入院患者の確保のための連携強化などに式を向けることが必要だ。地域医療構想調整会議の場を通じて、情報をキャッチアップすることや同業者や介護事業者から選ばれるための体制を理解し、広報活動を行っていくことも意識しておきたい。
協力対象施設入所者入院加算、緩やかに増加が続く
東海地方・中国地方・四国地方では増加はなく、ほぼ頭打ちといえる推移になっている。令和8年度診療報酬改定では、特に包括期入院においては後方支援に対する評価として重要視される項目といえ、今後も新たな届出が期待されるとともに、先の地域包括医療病棟入院料と同様に、自院が介護事業者に選ばれるための体制整備と広報活動が重要になると考える。
精神科地域包括ケア病棟入院料、対前月比-7施設
最も大きな驚きが、精神科地域包括ケア病棟入院料が7施設も減少したことだ。岡谷健の病院が届出を取り下げ、中国地方も0件となった。
現在、精神科領域では「入院機能・地域移行」「人員配置」「身体合併症」の3つの観点で令和8年度診療報酬改定の議論が進んでいるが、精神科地域包括ケア病棟入院料に対する期待は大きいことはわかっているものの、具体的な施設基準・要件の緩和については言及されていなかったように思う。包括範囲の見直しであったり、年間180日間の入院確認など事務業務の負担軽減など期待をしたい。
参照:精神病床の削減に躊躇しない中小規模の精神病院に対する評価の検討と敷地内薬局に対する厳格なルールの検討へ
在宅療養支援診療所、対前月比33施設の大幅増加
在宅療養支援診療所についてみると、33施設の大幅増加となっている。最も多く増加したのが東京都の15施設増。一方で、小幅ながら減少している都道府県もある。例えば、愛媛県では9月から2カ月連続で1施設減少している。4月減少が続いていた長崎県は下げ止まった。
都心部では今後も増える可能性はあるが、地方都市では医師の年齢や住民人口の減少に伴い実績要件を満たすことが困難となる医療機関も増えてくることも考えられる。後方支援する病院との連携強化など、単独ではなく連携を通じた積極的な在宅医療提供体制の構築がますます重要になる。
在宅療養支援病院と在宅療養後方支援病院については微増となっている。
包括期入院では後方支援機能を指標化し、施設基準に取り入れることも検討されていることから、今後新たに届出を目指す病院が増えてくることが考えられる。個人的に注目したいのが、在宅療養後方支援病院の医師と在宅医によるD to P with Dを新たに評価する可能性だ。勤務医・在宅医双方にとっての負担の軽減につながる。
参照:24時間往診体制の確保の在り方、医師と薬剤師の同行訪問に関する医療機関側の診療報酬上の評価の新設の検討。地域医療情報連携NWに参画する訪問看護STの評価を
いよいよ1月から届出が始まるかかりつけ医機能報告における2号機能では、在宅医療に関する実績なども求められることとなるため、同業者から連携先として選択される際の指標の一つとなることも意識しておきたい。かかりつけ医機能報告とは、患者からの医療機能の「見える化」でもあるが、地域内での連携先選びの指標の「見える化」でもある。お客様は患者だけではないということだ。