人工腎臓の評価、薬価の低下・BSの置換状況に合わせた評価を。プログラム医療機器の評価、特定保険医療材料と指導管理に分けた評価に。

12/25/2023

r6同時改定 医療ICT 医療機器 外来診療 薬価制度

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令和5年12月22日、第575回中医協総会にて審議が行われている。テーマは、精神科医療・慢性維持透析等の技術関連・入院医療全般となっている。ここでは、慢性維持透析等の技術関連についてだが、慢性維持透析とプログラム医療機器について確認しておこう。

〇慢性維持透析~低下する薬価に合わせた評価へ~

2028年度に新規透析導入患者を現状の40,000人/年から35,000人/年へ。本ブログでも紹介した改革工程表2023には、そうしたKPIが設定され、取組が推進されている(参照:「改革工程表2023」より、医療機関・薬局の経営と実務、健康寿命延伸・医療費適正化に関するポイントを整理しました。)。診療報酬においても、生活習慣病管理料や地域包括診療料/地域包括診療加算の他、糖尿病透析予防指導管理料など、近年かなり強化されているところ。また、令和6年度診療報酬改定では、慢性腎臓病対策として糖尿病からの重症化だけではなく高血圧症等にも対応できるよう、さらに早期介入を促進するように糖尿病透析予防指導管理料等を見直していく予定だ(参照:生活習慣病対策にDXで医師の負担軽減を、多職種連携・長期処方/リフィル処方で患者の負担軽減を。メリハリを効かした外来診療の評価を検討へ。)。目標達成時期である2028年度に向け、今後も強力に推進されていくことになるだろう。また、慢性腎臓病患者に対しては、腎移植や腹膜透析などの選択肢を提示することを腎代替療法指導管理料で、また導入期加算3による地域の医療機関に対する情報提供と共有で推進していくこと近年強化されている。しかしながら、その導入期加算3については届出は少ない。

導入期加算2の届出もほぼ横ばいになっているが、導入期加算2を届出るには、導入期加算3の施設が実施する研修を定期的に受講する必要があるため、導入期加算3の施設が増えていなかなければ、導入期加算2もこのまま横ばいが続くことになる。導入期加算3の施設が増えるような何らかのテコ入れが必要だといえる。

なお、導入期加算2と3では腎代替療法専門指導士を配置するすることが要件となっている。今回の議論では、透析患者における心臓突然死や致死性不整脈の発症頻度は、一般の25~70倍とされていることが紹介され、致死性不整脈の原因の一つとして大動脈弁狭窄症を含めた心臓弁膜症が挙げられた。透析患者の弁膜症治療法への共同意思決定については、透析医(腎代替療法専門指導士)を含めた連携が重要であるという意見があることも紹介され、導入期加算2・3に対する評価の充実など検討されそうだ。

人工腎臓に関する評価は包括される医薬品の実勢価格等に応じて、点数は引き下げられ続けている。今回の議論においても、実勢価格が下がっていることに加えて、バイオシミラーへの置き換えが進んでいることから評価の引下げとなる可能性がある。


〇プログラム医療機器~特定保険医療材料としての評価と指導管理としての評価~

禁煙治療、高血圧症治療に対するプログラム医療機器は医学管理のために患者自身が医療機関外で使用することから、原則として特定保険医療材料として評価すべき、と保険医療材料専門部会にて決まった。プログラム医療機器に関する加算は医学管理料と比べても高い傾向にあることもそうした決定の一つの要因だともいえる。そこで、今回の議論ではプログラム医療機器自体の使用に係るコストとは別に、プログラム医療機器の使用による指導管理の評価を設けることについて議論された。




プログラム医療機器の活用で、対面診療の回数の減少や長期処方・リフィル処方箋の利用促進にもつなげやすくなり、結果として医師の負担軽減にもなることが期待される(参照:生活習慣病対策にDXで医師の負担軽減を、多職種連携・長期処方/リフィル処方で患者の負担軽減を。メリハリを効かした外来診療の評価を検討へ。)。特に、長期処方で懸念される服薬コンプライアンスの向上にも大きな期待があることから、オンライン診療、生活習慣病管理料や特定疾患処方管理加算・リフィル処方箋などとの利活用で大きな期待が寄せられる。

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